容易く祈るな、祈りとは愛なのに。
数年前から、就活生の間では不採用通知の事を「お祈りメール」と呼んでいるらしい。
不採用を通知するメールの末尾には必ず、
今後のご健勝、ご活躍を心よりお祈り申し上げます。
というような一文が添えられていることに由来しているとのこと。
自社への就職を希望する学生を不採用にしたにもかかわらず、ビジネス文書で失礼のないよう不採用通知を作った結果、その不採用者の活躍を祈ることになってしまった、何とも~な慣例だ。
日本の文化としては美しいかもしれないけど…
手紙じゃないし…
わたしはいらないけどね、この最後のお祈り。
いらないっていうか、何でもかんでも祈ればいいってもんじゃないよねと思う。
お祈りしてくれるくらいなら、その前にもっと、
「あなたがどうこうじゃなく、うちには合わなかったってだけで、もっとあなたに適した場所で是非がんばってほしい。」
「うちの財務状況がもっと良ければ採用して育ててみたい気もするんだけど、ちょっと今それは厳しいから、今回は即戦力になる人を採用するね、ごめんね。」
とかいった気持ちが伝わる一文いれてほしいよね。
じゃなきゃお祈りメールいらなくない?せっかく祈ってるのにその言葉の真剣みがない。祈るとかいう大層なこと言ってるのに。
かすりもしないで落ちたなら、いちいち祈らないでシンプルに、
社内で慎重なる審議を重ねましたところ、残念ながら貴意に添いかねる結果となりました。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
でよくない?
そういう通知がきたらさ、その組織に必要とされるスキルも適性も人柄も可能性を感じさせるなにかもなかったってことと就活生側も納得してさ、自分が至らなかったとあきらめようよっていう意識が広く定着すれば、いちいち末筆の文言くらいでイラッとしなくても済むのでは。
まあ、そうなったとしても今度は「お願いメールきた!」とかになるんだろーけど。
まーこのお祈りメールはいいとして、
わたしが???と思っているのが「サイレントお祈り」なるなんとも非道な仕打ちです。
ほんとこれ酷いよね。
中でも私が憤りを感じているのは、「結果につきましては〇日後にご連絡差し上げます」と言っておきながら、その日数を過ぎても全く音沙汰がない部類のサイレント。
読んで字のごとく、何もない。
わたしが学生だった頃からこの隠語はあったらしいが、就活という一大イベントを経ていない身としては、いまいちピンとこなかった。
こなかった。
そう、それももはや過去の話。
先月から転職活動を始めたわたしはいま、このサイレントお祈り問題に直面している。
え、面接終わった後に言ってたよね?
結果は1週間後にご連絡します。ってはっきり言ってたよね?
…もう10日目なんだが⁉
わたしが受けたのは某司法書士法人なんだけど、
仮にも法律を扱ってるひとがこういうことするってどうなんや。
口約束かもしれないけど、立派な不履行やろ。
それともなにか?わたしはメール一通送るにも値しないってこと?
じゃあはじめから、
選考結果をご通知するまで1週間を予定しておりますが、応募状況によっては多少の前後がありますことをご了承ください。
っていってほしい。
なんならもう、
大変申し訳ありませんが、不採用となった場合はご通知いたしませんので了承ください。
でもいいよ。
まじさ、連絡するって自分から言っといてうんともすんとも連絡なしってどうよ。
ありえないよね。ありえなさすぎるよね。
…はっっ!!!
まさか…
不採用になったショックを紛らわせようとしてわざと怒りをかうようなことを…?
例えるなら、
想い合っている二人がいて、
結婚も考えているんだけれども、
ある時彼女が不治の病にかかり、
彼の将来を考え、心配と迷惑をかけたくないという一心で、
彼に「実はあなたの事は好きじゃない。昔好きだったこともあったがもう冷めた。今私のお腹のなかには浮気をしたときにできた子供がいる」等と嘘をつきまくって怒りをかい、別れる。
彼女は彼の幸せを祈りつつ闘病生活に入るが、真実を知らない彼は学生時代の後輩と結婚してしまう。
数十年後、彼はひょんなことから彼女との別れの真実を知る。
彼女が眠るお墓の前で泣き崩れる年老いた彼。
墓石に映る自分の深く刻まれた皺と悲しみに染まった瞳とは対照的に、晴れ渡った空と舞い散る桜が彼女の深い愛情のメタファーであるような気がして、
泣くことすらもできなくなった彼はただ茫然と立ち尽くす事しかできないのであった。
~フェードアウト~
みたいな⁉
相手を想うあまりお気遣いが大暴走みたいな⁉
不採用通知が届いてショックを受けさせるくらいなら嫌われる方を選ぶ!っていう漢気溢れる理由でサイレント!みたいな⁉
まあわたしも鬼じゃなし、それなら許せるかな☆
もう…ハッキリ言ってくれてもよかったのに…
こんなことくらいじゃわたしたちの絆はなくならないよおおお
と思うかどうかは人それぞれですが、
わたしはもうこの法人には一生、なんなら来世も入職いたしません。
アディオス☆
<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/LNpbDzNG45Q" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>